さくらのクラウドでWebサーバーを運用する際、ついついCPUやメモリの負荷ばかりに目が向きがちですが、実はネットワークの帯域制限がボトルネックになるケースがあります。
特に、単一のインスタンスで複数のWebサイトを運用している場合や、特定の時間帯にトラフィックが集中するようなサービスでは、設計時にこの特性を理解しておかないと、いざという時にサイト表示が不安定になってしまうのです。
覚えておきたい「スイッチ帯域制限」の仕組み
早速ですが、以下の設計内容を見てください。
実は重要は問題点がありますが、その問題点は分かりますか?

さくらのクラウドでは、仮想サーバーが接続するスイッチにおいて、サーバーの搭載メモリ量に応じたOutbound(送信)帯域の上限が設けられています。
| サーバ搭載メモリ量 | サーバ⇔スイッチ間帯域制限(Outbound) |
|---|---|
| 32GB 未満 | 1.0 Gbps |
| 32GB 以上 128GB 未満 | 2.0 Gbps |
| 128GB 以上 224GB 未満 | 5.0 Gbps |
| 224GB 以上 | 10.0 Gbps |
※Inbound(受信)側は、基本的に帯域制限はありません。
ここで注意が必要なのは、「サーバーから外部へ送るデータ量」に上限があるという点です。リクエストをどれだけ受け取れても、サーバーから返すレスポンス(画像やHTMLデータなど)がこの上限を超えようとすると、ネットワーク側で詰まってしまい、結果として「表示が不安定」という事象に繋がります。

今回の設計内容では、「スイッチの帯域幅を上限まで利用する為には、サーバ搭載メモリは32GBが必要」となる点が抜けており、ルータ+スイッチの帯域を生かし切れない可能性がある事が、設計上のミスとなります。
また、上記帯域幅の制限以外にも、「転送量に応じたトラフィック制限」も設定されている為、画像や動画などのコンテンツデータが大きい際には、その制限にかからない様な、コンテンツ側の調整や設計も必要になってきます。
安定運用のための設計ポイント
さくらのクラウドを利用する上でのネットワーク設計のポイントは、以下の3点に集約されます。
- ネットワーク帯域はサーバスペック(メモリ量)に応じて上限が設定されている。
- CPU/メモリより先に帯域がボトルネックになることがある。
- 転送量に応じたトラフィック制限も設定されている為、コンテンツに応じた設計も必要になる。
「とりあえず」で始めた構成が、実はネットワーク帯域の制約で首を絞めていた……なんてことにならないよう、総合的なキャパシティ検討をおすすめします。
いかがだったでしょうか? インフラ設計は奥が深いですが、プラットフォームの特性や制限を掴んでおくことが、安定運用の第一歩ですね。
「自社の構成で帯域は足りているかな?」「アクセス集中に備えた設計を見直したい」といったお悩みがあれば、ぜひネットアシストにご相談ください!プロの視点から、最適なインフラ構成をガッチリとご提案させていただきます。
それではまた!



