
ウェブフォントの基礎知識と活用法
フォントが変わると、サイトの“性格”が変わる
こんにちは!クリエイティブチーム・ディレクターのH.Tです。今回はフォントに関するお話をしたいと思います。なぜか信頼できそうなサイト。なぜか読みにくく、すぐ離脱したくなるサイト。この差を生んでいる要因のひとつが、フォントです。色や写真ほど意識されない存在ですが、フォントはユーザーが最初に「無意識で感じ取る情報」。つまり、フォントはサイトの声色とも言えます。
本記事では、
- ウェブフォントとは何か
- なぜ今、ウェブフォントが必須なのか
- どう選び、どう使えばよいのか
を、実例を交えながら解説します。
フォントは「読ませる装飾」ではない
多くの人が、フォントを「デザインの仕上げ」と考えがちです。しかし実際は逆で、フォントは情報設計の土台です。同じ文章でも、明朝体なら「きちんと・丁寧・静的・厳粛」、ゴシック体なら「現代的・フラット・動的・活動的・POP」と、伝わる印象は大きく変わります。
ウェブフォントを使うということは、“どう読ませたいか”を設計することなのです。
そもそもウェブフォントとは?
ウェブフォントとは、Webページ上でフォントデータを読み込み、表示させる仕組みです。以前は、「ユーザーの端末に入っているフォント任せ」という時代がありました。その結果、Macではサイトにあった美しいフォント、Windowsでは別物といった表示差が当たり前でした。
ウェブフォントの登場により、制作者が意図した書体を、どんな環境でも同じように見せることが可能になりました。
なぜウェブフォントを使うべきなのか?
- ①サイト自体の“人格”がブレなくなる
フォントが統一されることで、サイト全体のトーンや空気感が安定します。
- ②ブランドは「文字」から記憶される
ロゴだけでなく、本文や見出しの書体もブランド体験の一部です。繰り返し触れる文字の形が、印象として蓄積されていきます。
- ③読みやすさは、信頼につながる
読みづらい文字は、内容以前にストレスを生みます。可読性の高いフォントは、情報への信頼感を底上げします。

ウェブフォント導入は、思ったより簡単
ここでは代表的な Google Fonts を例に紹介します。やることは、たったの3ステップです。
- ① フォントを選ぶ
Google Fontsでフォントを選択。
- ②
<head>にリンクを追加
<link href="https://fonts.googleapis.com/css2?family=Roboto&display=swap" rel="stylesheet">
- ③ CSSで指定
body {
font-family: 'Roboto', sans-serif;
}
これだけで、
フォントは「インストール不要」でサイトに反映されます。
フォント選びで迷ったら、ここを見る
ウェブフォント選定のポイントは、見た目以上にロジカルです。
- 本文はとにかく読みやすさ優先
装飾性より、長時間読めるか。 - サイトの役割と合っているか
採用サイトとキャンペーンLPでは、正解が違います。 - 重すぎないか
フォントもデータ。読み込みは体感速度に影響します。 - 日本語・多言語対応
特に日本語は、対応文字数が重要です。
実例で見る、おすすめウェブフォント
Roboto
現代的でクセがなく、UIにも本文にも使いやすい万能型。
使用事例
弊社 採用サイト
Noto Serif
明朝体の品格と、Webでの安定感を両立。
落ち着いた情報発信に向いています。
使用事例
アディッドバリュー株式会社様
福利厚生ギフト LP
Noto Sans
多言語・情報量・公共性。
この3点が求められるサイトで真価を発揮します。
フォントを変えると、伝わり方が変わる
ウェブフォントは、
「デザインをよく見せるため」だけのものではありません。
- 読ませる
- 伝える
- 信頼させる
そのすべてを、文字の形が静かに支えています。
もし今、「デザインは整っているのに、何か足りない」と感じているなら、フォントを見直すタイミングかもしれません。文字から、サイトを整える。それが、ウェブフォントの本当の価値です。





