こんにちは、UOZUです!
本記事では「ネットワークスイート CR版」を触ってみようと思います。
ネットワークスイートとは
リージョンをまたぎ、複数のサーバ間で接続が出来、DHCPサーバなどの機能がワンストップで利用出来るサービスです。
https://manual.sakura.ad.jp/cloud/network/networking-suite/about.html
ネットワークスイートは、さくらのクラウドのサーバー同士を相互にレイヤ3(L3)接続するサービスです。
サーバー同士の通信を可能にするL3ルーティング機能のみならず、IPアドレス管理機能、DHCPサーバー機能、DNSフォワーダー機能といった、サーバーのネットワーク設定に不可欠な機能群をマネージドサービスとしてワンストップでご提供します。これにより、お客さまは煩雑なネットワーク設定を意識することなく、サーバー・アプリケーションの構築に注力いただけます。
本来なら全リージョンで利用できる予定もあるようですが、2026年9月現在では、石狩第3リージョンでのみ利用可能になっています。
検証環境の構成
以下の様な構成で設定をおこないます。
・1号機
NIC①:共有セグメント(203.0.113.101)
NIC②:ネットワークスイート
・2号機
NIC①:共有セグメント(198.51.100.102)
NIC②:ネットワークスイート
サブネットグループの作成
サーバ構築作成後、「ネットワークスイート」→「サブネットグループ」に進み、新規にサブネットグループを作成します。
今回は IPアドレスの範囲は「10.10.0.0/16(10.10.0.0~10.10.255.255)」、名前を「uozu-16」で作成します。

サブネットの作成
続けてサブネットを作ります。
今回は検証の為、「10.10.0.0/28(10.10.0.0~10.10.0.15)」と「10.10.0.0/28(10.10.0.16~10.10.0.31)」2つのサブネットで作成してみます。


サーバへのNIC追加とネットワークスイートへの接続
今度はサーバのNICをネットワークスイートと連携させます。
サーバを停止後、ネットワークスイート用のNICを追加し、NICの接続先をネットワークスイートに指定します。
またサブネットグループ、サブネットをそれぞれ指定し、「更新」ボタンで確定させます。


サーバ起動後の挙動
そのままサーバを起動してみます。
事前に想定したサブネットで自動的にローカルIPアドレスが割り当てられており、同じサブネットグループに所属する異なるサブネット間で、ネットワークスイートによるL3ルーティングが行われていることを確認できます。
[root@uozu-01 ~]# ip -br a
lo UNKNOWN 127.0.0.1/8 ::1/128
eth0 UP 203.0.113.101/28 fe80::8651:4394:98bd:74c/64
eth1 UP 10.10.0.5/28 fe80::7a0a:eefe:921b:ea4b/64
[root@uozu-01 ~]# ip r s
default via 203.0.113.109 dev eth0 proto static metric 100
10.10.0.0/28 dev eth2 proto kernel scope link src 10.10.0.5 metric 102
10.10.0.0/16 via 10.10.0.1 dev eth2 proto dhcp src 10.10.0.5 metric 102
203.0.113.196/28 dev eth0 proto kernel scope link src 203.0.113.108 metric 100
[root@uozu-01 ~]# traceroute 10.10.0.5
traceroute to 10.10.0.5 (10.10.0.5), 30 hops max, 60 byte packets
1 10.10.0.17 (10.10.0.17) 0.292 ms 0.262 ms 0.251 ms
2 10.10.0.1 (10.10.0.1) 0.523 ms 0.513 ms 0.502 ms
3 10.10.0.5 (10.10.0.5) 0.848 ms 0.843 ms *
[root@uozu-02 ~]# ip -br a
lo UNKNOWN 127.0.0.1/8 ::1/128
eth0 UP 198.51.100.102/28 fe80::6367:e2d0:309b:217f/64
eth1 UP 10.10.0.20/28 fe80::6155:8288:eb84:f862/64
[root@uozu-02 ~]# ip r s
default via 198.51.100.97 dev eth0 proto static metric 100
10.10.0.0/16 via 10.10.0.17 dev eth1 proto dhcp src 10.10.0.20 metric 101
10.10.0.16/28 dev eth1 proto kernel scope link src 10.10.0.20 metric 101
198.51.100.96/28 dev eth0 proto kernel scope link src 198.51.100.108 metric 100
[root@uozu-02 ~]# traceroute 10.10.0.20
traceroute to 10.10.0.20 (10.10.0.20), 30 hops max, 60 byte packets
1 10.10.0.1 (10.10.0.1) 0.460 ms 0.446 ms 0.440 ms
2 10.10.0.17 (10.10.0.17) 0.586 ms 0.581 ms 0.582 ms
3 10.10.0.20 (10.10.0.20) 1.053 ms !X 1.054 ms !X 1.044 ms !X
また、サーバ起動後はサーバのNICに対象のIPアドレスが設定される仕様の様です。

IPアドレスとルーティングはDHCPで設定される
今回実際に触ってみて便利に感じたのが、ネットワーク設定を自動化できる点です。
一般的に複数のサーバをプライベートネットワークで接続する場合、
スイッチ・ネットワークの作成 ↓ サーバへのNIC追加 ↓ IPアドレスの設定 ↓ ルーティングの設定 ↓ 必要に応じてDHCPやDNSの用意
といった設定が必要になります。
ネットワークスイートでは、IPアドレス管理、DHCPサーバー、DNSフォワーダー、L3ルーティングといった機能がマネージドサービスとして提供されています。
今回も、サーバのNICをサブネットへ接続したあとにOSを起動すると、IPアドレスやルーティング情報が自動的に設定されていることを確認できました。
公式マニュアルでは、IPv4アドレスやネットワーク設定の配布方式としてDHCPが利用され、Subnet Mask、DNS Server、Classless Static RoutesなどがDHCPオプションとして配布される仕様になっています。
ネットワークを利用する側からすると、サーバごとに細かなネットワーク設定を行う手間を減らせるのは大きなメリットだと感じました。
CR版利用時の注意点
今回利用したネットワークスイートは、2026年9月時点ではCR版として提供されています。
現在の提供ゾーンは、石狩第3ゾーンです。
また、CR版期間中は無償で提供されていますが、正式版への移行については注意が必要です。
公式マニュアルでは、CR版で作成したリソースを正式版へ引き継ぐ方法については改めて案内するとされており、正式版への切り替え時に継続利用への承諾が確認できないリソースは削除対象となる場合があると案内されています。
そのため、現時点では本番環境というよりも、まずはCR版として機能や使い勝手を確認する用途から試してみるのがよさそうです。
さいごに
今回は、さくらのクラウドで提供されている「ネットワークスイート CR版」を実際に触ってみました。
今回は、
サブネットグループの作成 ↓ 2つのサブネットを作成 ↓ サーバへNICを追加 ↓ ネットワークスイートへ接続 ↓ IPアドレス・ルーティング情報を確認 ↓ 異なるサブネット間の通信を確認
という流れで検証しました。
これまでサーバ間をプライベートネットワークで接続する場合には、ネットワークの用意だけでなく、サーバ側でIPアドレスやルーティングを設定する必要がありました。
ネットワークスイートでは、L3ルーティング、IPアドレス管理、DHCP、DNSフォワーダーといったネットワーク機能がまとめて提供されるため、サーバをネットワークへ接続するまでの設定をかなりシンプルにできそうです。
今回の検証でも、サーバのNICをネットワークスイートのサブネットへ接続することで、IPアドレスや別サブネット宛てのルーティング情報が自動的に設定されることを確認できました。
特に、複数のサブネットを利用する構成でも、個別にルータを構築することなくサーバ間をL3接続できる点は便利だと感じました。
2026年9月現在はCR版であり、利用できるゾーンなどに制限がありますが、ネットワーク構築をより簡単に行えるサービスとして、今後の正式版リリースにも期待したいですね。
今回はここまでです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!