企業のAI導入を後押しするAIポータルメディア「アイスマイリー」。
掲載企業は約500社、月間およそ300万PVを数えるこのメディアは、サイトを支えるインフラをAWSから国産の「さくらのクラウド」へと移した。
円安によるコスト増、国産事業者初のガバメントクラウド採択という実績、そして運用を支えるパートナーの存在――乗り換えの背景と決め手を、代表取締役の板羽氏に伺った。
国産クラウドを利用するのは、どんな企業か ―― AIメディア「アイスマイリー」とは
アイスマイリーは、企業のAI導入を後押しするAIポータルメディアだ。
東証プライム上場企業からスタートアップまで、AIの技術やサービスを手がける企業を約500社掲載し、AIを探すエンドユーザーと、AIを提供する事業者をつなぐ。
月間のアクセスはおよそ300万PV。この規模のメディアを支えるインフラを、同社はAWSから国産の「さくらのクラウド」へと移した。以下では、その乗り換えの理由を、代表取締役の板羽氏の言葉からたどる。
なぜ「さくらのクラウド」だったのか ―― 見直しのきっかけ
―― AWSから、国産の「さくらのクラウド」へ。見直しのきっかけから教えてください。
板羽氏:きっかけはいくつかあります。もともと、別の受託の仕事で、運用を任せているパートナー経由でさくらのクラウドを使わせていただいていた縁がありました。
そこに、さくらのクラウドがガバメントクラウドに採択されたことや、さくらインターネットの田中社長が掲げる「海外クラウドに対抗する」という思いへの共感が重なって、乗り換えを考えるようになったんです。
見直しの出発点は、既存サービスへの不満というより、以前からの縁と、ガバメントクラウド採択という実績、そして「国内の事業者を応援したい」という前向きな動機だった。すでに別の案件でさくらのクラウドに触れていたことで、乗り換えのハードルは下がっていた。
円安で変わったコスト感覚 ―― 為替と費用
―― コスト面では、どのような変化があったのでしょうか。
板羽氏:大きかったのは為替の影響です。AWSはドル建てが基準になるので、円安が進むと費用が上がってしまう。使い始めたころは1ドル110円台でしたが、今は160円台まで来ています。もともとAWSは「安さ」も売りの一つでしたが、その前提が円安でだいぶ変わってしまいました。
あらためてコストを比較したときに、さくらのクラウドのほうがコストメリットが大きく出ました。加えて、私たちはAWSの高度な機能を極限まで使い倒していたわけではなく、そこまでの作り込みは必要なかった、という面もあります。
利用量ではなく為替相場で費用が動くため、海外クラウドはコストの見通しが立てにくい。
円安局面では、その差が国産クラウドのコストメリットとして表れた。
必要な機能を見極め、過剰に作り込んでいなかったことも、乗り換えを現実的なものにしている。
決め手は「コスト競争力」と「ガバメントクラウド採択」
―― 数ある選択肢のなかで、「さくらのクラウド」を選ばれた決め手は。
板羽氏:決め手として一番大きかったのは、コスト競争力です。そこに、さくらのクラウドが国産事業者として初めてガバメントクラウドに採択された、という実績が加わりました。
機能面でも、AWSが備えているものと同じようなものを、かなりのところまで搭載してきていて、本当に頑張られたなと思います。
コスト競争力という足元の合理性と、ガバメントクラウド採択という国のお墨付き。
この二つがそろったことが、乗り換えの決め手になった。
機能面でも国産クラウドが着実に選択肢として育っていることが、板羽氏の言葉からうかがえる。

国産にこだわる理由 ―― AIメディアの経営者として
―― AIメディアを運営する立場から、あえて国産を選ぶことには、どんな意味がありましたか。
板羽氏:AIに関するニュースは、どうしても海外発のものが多いんです。その中で、国内の企業が世界に対抗しようと頑張っている――そういう動きは、経営者として本当に応援したくなる。
こうした話も、アメリカなど海外事業者に関するものが多いなかで、日本を代表するクラウド基盤として政府に採択されたというのは、やはり大きいと感じます。
コストや実績といった合理的な理由の底には、「国内の頑張っている事業者を応援したい」という経営者としての思いがあった。
海外発の情報があふれるAIの世界で最前線に立つ事業者だからこそ、事業の土台を国内に置くことの意味を、より強く受け止めている。
制作から運用まで ―― 乗り換えを支えるパートナー
アイスマイリーのサイトはグループ内で制作され、サーバーの保守・運用は運用パートナーが担っている。
今回の乗り換えでも、サーバーの移行だけでなくサイト側の対応まで含めて、制作から運用までを一体で支える体制が敷かれた。
プラットフォームを替えるだけでは終わらない移行を、こうした伴走が現実的なものにしている。
―― 運用を任せているサポート会社の対応は、いかがですか。
板羽氏:日頃からしっかり監視していただいており、不具合があった際にもすぐに対応いただけます。深夜でもすぐに知らせていただけるのは、強みだと思います。
提案力もすごくあるんです。「ここは今度こうしたほうがいいんじゃないか」というご提案を日頃からよくいただくので、現状でもすごく助かっていますし、感謝しているところですね。
クラウドは導入すれば自動的に価値が出るわけではなく、運用を担う「人」の存在が効いてくる。
監視と即応、深夜でも動くスピード、そして「次はこうしては」という提案力。
板羽氏が口にしたのは、人によるサポートがもたらす「安心感」だった。
プラットフォームの信頼性と、それを個社の事情に合わせて使いこなす運用パートナー。
この両輪が、乗り換えを支えている。

まとめ
アイスマイリーがAWSから「さくらのクラウド」へ乗り換えた理由は、大きく次の点に整理できる。
以前から運用パートナー経由でさくらのクラウドを使っていた縁、田中社長の「海外クラウドに対抗する」という思いへの共感、円安局面で明確になったコスト競争力、そして国産事業者として初のガバメントクラウド採択という実績である。
そこに、「国内の事業者を応援したい」という経営者の思いと、監視・即応・提案力を備えたパートナーの存在が重なった。板羽氏の言葉から伝わる「安心感」に、国産クラウドとパートナーを選んだ意味が表れていた。
さくらのクラウドへの移行・導入のご相談について
AWSなど他社クラウドからの乗り換えや、コスト・運用体制の見直しをご検討中の方は、お気軽にご相談ください。
「まずは概算だけ知りたい」という段階でも問題ありません。