さくらのクラウドのタグ機能とは?特殊タグでサーバーの起動方法を変更

コンピューティング # タグ機能

こんにちは、UOZUです!

さくらのクラウドには、サーバーやディスクなどのリソースを整理するための「タグ機能」があります。

https://manual.sakura.ad.jp/cloud/controlpanel/tag.html

タグは単なる目印として使うだけでなく、@boot-cdrom@boot-network のように、サーバーの動作を変更する「特殊タグ」としても利用できます。

https://manual.sakura.ad.jp/cloud/server/special-tags.html

物理サーバーやパソコンでは、BIOSやUEFIの設定画面を開き、SSD、DVDドライブ、ネットワークなどの起動順序を変更します。さくらのクラウドにはBIOSやUEFIの設定画面を直接操作する項目はありませんが、特殊タグを付けることで、これに近いイメージで起動するデバイスの優先順位を指定できます。

UEFI画面での起動順序設定(イメージ)

今回は、通常のタグを使ったリソースの整理方法と、特殊タグを使ってサーバーの起動方法を変更する手順を紹介します。

タグ機能とは

タグ機能は、さくらのクラウド上のリソースに任意の文字列を付けて分類できる機能です。

たとえば、Webサーバーに Web、データベースサーバーに DB、本番環境に production、検証環境に staging といったタグを付けておくと、リソースが増えたときにも役割や用途を把握しやすくなります。

1つのリソースには複数のタグを設定できます。Webproduction のように、役割と環境を組み合わせて管理することも可能です。

タグはサーバーだけでなく、ディスクなどのリソースにも設定できます。ただし、今回紹介する起動方法の指定はサーバーに対して行います。

通常タグと特殊タグの違い

さくらのクラウドのタグは、大きく分けると次の2種類があります。

種類用途
通常タグリソースの分類や検索WebDBproduction
特殊タグサーバーの動作や設定を変更@boot-cdrom@boot-network@auto-reboot

@ から始まる所定のタグは、特殊タグとして扱われます。通常タグと同じ入力欄から設定できますが、単なる分類ではなく、さくらのクラウド側の動作に影響する点に注意が必要です。

タグを設定する方法

今回は、作成済みのサーバーにタグを設定します。

  1. さくらのクラウドのコントロールパネルを開きます。
  2. 対象のゾーンを選択します。
  3. 左側のメニューから「サーバ」を選択します。
  4. タグを設定するサーバーを選択し、「詳細」をクリックします。
  5. サーバーの詳細画面で「編集」ボタンをクリックします。
  6. 編集画面を開き、「タグ」欄に設定したい文字列を入力します。
  7. 入力内容を保存します。
タグ入力画面

通常タグを設定した場合は、サーバー一覧でタグを指定して対象のリソースを絞り込めます。サーバー台数が増えてきた環境では、命名規則だけに頼らず、タグも併用すると探しやすくなります。

BIOSやUEFIのように起動方法を変更する

ここからが今回の本題です。

物理サーバーやパソコンでOSをインストールするときは、BIOSやUEFIで「DVDドライブを最初に起動する」「ネットワークから起動する」といったブート順を設定します。

さくらのクラウドでも考え方は同じです。ただし、BIOSやUEFIの設定画面を開いて操作するのではなく、サーバーに特殊タグを付けて起動するデバイスの優先順位を指定します。

イメージとしては、次のような対応になります。

BIOSやUEFIでの設定イメージさくらのクラウドで使用するタグ
CD/DVDドライブを優先@boot-cdrom
Network Boot/PXE Bootを優先@boot-network
内蔵ディスクから通常起動起動用の特殊タグを設定しない

サーバーに接続されたデバイスの起動優先順位を変更する場合は、次の特殊タグを使用します。

特殊タグ起動方法
@boot-cdrom接続した仮想CD-ROMを優先して起動する
@boot-network仮想NICのPXE Bootを優先して起動する

どちらのタグも付いていない場合は、通常どおり接続されたディスクから起動します。つまり、物理サーバーのBIOSやUEFIで内蔵SSDやHDDを最優先にしている状態に近いと考えると分かりやすいです。

CD-ROMから起動する

ISOイメージからOSをインストールしたい場合や、レスキュー用ISOを起動したい場合は @boot-cdrom を使用します。これは、BIOSやUEFIのBoot PriorityでCD/DVDドライブを最優先に変更する操作に相当するイメージです。

  1. 対象サーバーを停止します。
  2. サーバーに使用するISOイメージを挿入します。
  3. サーバーの「情報」からタグ編集画面を開きます。
  4. @boot-cdrom を追加して保存します。
  5. サーバーを起動します。
  6. コンソールを開き、ISOイメージから起動していることを確認します。
ISOイメージから起動する特殊タグ「@boot-cdrom」を設定
CentOS7のISOから起動した画面

作業が終わったら、サーバーを停止してISOイメージを取り出し、@boot-cdrom を削除します。その後に起動すると、通常のディスク起動へ戻せます。

ISOイメージを挿入していない状態では、CD-ROMから起動できません。タグの設定だけでISOイメージが自動的に用意されるわけではないため、先に使用するISOイメージを確認しておきましょう。

設定時の注意点

2つの起動タグを同時に設定しない

@boot-cdrom@boot-network を同時に設定すると、起動順序が不明確になる場合があります。利用する起動方法に対応したタグを1つだけ設定してください。

OSの再起動だけでは反映されない

特殊タグを追加または削除した後は、サーバーをいったん停止状態にしてから起動する必要があります。

OS上の reboot コマンドやコントロールパネルの再起動など、通電が継続する形の再起動では、特殊タグの有効化や無効化が反映されません。

設定したはずなのに起動方法が変わらない場合は、まず「停止してから起動したか」を確認してみてください。

作業後は特殊タグを削除する

ISOイメージからのインストールや復旧作業が終わった後も @boot-cdrom が残っていると、次回起動時にもCD-ROMが優先されます。

一時的な作業のために設定した特殊タグは、作業完了後に削除しておくと安心です。削除後も、停止から起動の操作を行って変更を反映します。

そのほかの主な特殊タグ

起動方法の変更以外にも、さくらのクラウドには次のような特殊タグがあります。

特殊タグ主な機能
@groupサーバーをグループ化し、起動ホストを分離する
@auto-rebootサーバー停止時に自動起動する
@keyboard-usリモートスクリーンでUSキーボード入力を使用する
@cpu-topologyOSから認識されるCPUトポロジーを変更する

特殊タグごとに用途や注意事項が異なります。利用する前に、公式マニュアルで最新の仕様を確認してください。

まとめ

さくらのクラウドのタグ機能は、リソースを分類するだけでなく、特殊タグによってサーバーの動作も変更できる便利な機能です。

起動方法を指定する特殊タグは、物理サーバーやパソコンのBIOS/UEFIでブート順を変更する機能に近いイメージです。ただし、設定画面から起動順を並べ替えるのではなく、タグの追加と削除によって指定する点が、さくらのクラウドならではの違いです。

CD-ROMから起動するときは @boot-cdrom、PXE Bootを利用するときは @boot-network を設定します。

特に覚えておきたいのは、特殊タグの追加や削除を反映するには、サーバーを停止してから起動する必要がある点です。また、2つの起動タグは同時に設定せず、一時的な作業が完了したら不要なタグを削除しましょう。

リソース管理には通常タグ、動作の変更には特殊タグという違いを理解しておくと、サーバー台数が増えた環境でも管理しやすくなります。

最後までお読みいただき、ありがとうございます!

この記事を書いた人

UOZU

ネットアシスト運用チーム10年目の運用エンジニア

さくらのクラウド検定 ベーシック (第一回)

さくらのクラウド検定 アドバンスド (第一回)

AWS Certified Solutions Architect - Associate

AWS Certified AI Practitioner