クラウド移行では、なぜ料金が二重になるのか
こんにちは!ネットアシスト営業チームです。
サーバーをクラウドへ移行するとき、よく聞かれるのが次の疑問です。
「新しいサーバーの料金が発生するなら、現在のサーバーはすぐ解約できないのでしょうか」
実際には、新しいサーバーを用意した直後に、現在のサーバーを停止することはできません。
新環境の構築、データ移行、動作確認、本番切り替え、切り戻しへの備えなどを行うため、一定期間は旧環境と新環境を並行して稼働させる必要があります。
そのため移行期間中は
- 現在利用しているサーバーの費用
- 新しく構築したクラウドサーバーの費用
が同時に発生します。
本記事では、この「二重コスト」の詳細と、移行の安全性を維持しながら費用を抑える3つの方法を解説します!
クラウド移行における「二重コスト」とは
旧環境と新環境の利用期間が重なることで発生する
二重コストとは、クラウド移行の準備期間中に、次の費用が同時に発生している状態を指します。
| 環境 | 発生する主な費用 |
|---|---|
| 現在の環境 | サーバー利用料、保守費用、ライセンス費用など |
| 新しい環境 | クラウド利用料、保守費用、ライセンス費用など |
ここでは、初期構築費用やデータ移行作業費用とは分けて考えることが重要です。
初期構築費用や移行作業費用は一時的な費用ですが、「二重コスト」は旧環境と新環境の月額費用が重なることを意味しています。
二重コストが発生する期間のイメージ

なぜ旧環境と新環境を並行稼働させる必要があるのか
理由1.新環境での動作確認をするため
新しいクラウド環境を構築しただけでは、Webサイトやシステムが正常に動作するとは分かりません。
本番切り替え前には、例えば次の項目を確認します。
- Webサイトが正常に表示されるか
- WordPressやCMSの管理画面を操作できるか
- お問い合わせフォームからメールを送信できるか
- データベースに正常に接続できるか
- 定期処理やバッチ処理が動作するか
- 外部サービスやAPIと連携できるか
- SSL証明書が正しく設定されているか
現在のサイトを公開したまま、新環境でこれらを検証するため、並行稼働が必要です。
理由2.最新データを反映する作業をするため
最初にデータをコピーしてから本番切り替えまでの間にも、旧環境のデータは更新されます。
例えば、WordPressサイトでは次のデータが増える可能性があります。
- 新しい記事
- お問い合わせ内容
- 会員情報
- 商品情報
- 注文情報
そのため、初回のデータ移行だけでなく、切り替え直前に差分データを反映する作業が必要です。
理由3.切り替え後に問題が起きた場合に元へ戻せるようにするため
十分にテストしていても、本番切り替え後に初めて分かる問題があります。
例えば、
- 一部の利用者だけサイトへ接続できない
- 外部サービスとの連携が機能しない
- メールが届かない
- 特定のページだけエラーになる
- 想定よりサーバー負荷が高い
といったケースです。
旧環境をすぐに解約してしまうと、問題発生時に元の環境へ戻せません。
そのため、本番切り替え後も一定期間は旧環境を残し、必要に応じて切り戻せるようにすることをおすすめします。
二重コストはどのくらいの期間発生する?
一般的な例だと、最低1.5カ月~の期間になる見込みです。
| 時期 | 実施内容 | 旧環境 | 新環境 |
|---|---|---|---|
| 2週間~ | 新環境の構築、データ移行 | 稼働 | 稼働開始 |
| 1週間~ | 動作確認 | 稼働 | 稼働(待機) |
| 1週間~ | 最終データ移行、本番切り替え | 稼働(待機) | 本番稼働 |
| 2週間~ | 経過確認 | 確認後に解約 | 本番稼働 |
二重コストが長期化しやすいケース
- 現在のサーバーの契約期間や解約日を確認していなかった
- 動作確認の担当者や項目が整理されていなかった
- 移行対象のサイトやデータが後から追加された
- お客様側の確認が長期間止まってしまった
- 移行時の修正事項が多い、時間がかかる 等
クラウド移行の二重コストを抑える3つの方法
方法1.現在の契約更新日・解約条件から逆算する
最初に確認するのは、新しいクラウドの料金ではなく、現在利用しているサーバーの契約条件です。
例えば、年額契約を更新した直後にクラウド移行を始めると、旧環境の費用が長期間残る場合があります。
問題が起きても戻せる期間を確保したうえで、更新日や解約日から逆算することが重要です。
方法2.新環境を作る前に、移行範囲と確認スケジュールを決める
すぐに新環境作成を踏み出しても、移行内容や動作確認、改修が発生した段取りを決めていないとグダグダになってしまいます。
例えば、以下点を事前に整理しておくとよいでしょう。
- 移行するWebサイト・システム
- 移行元/先のサーバーOS・ミドルウェアバージョン
- データ容量
- DNSの管理場所
- メール送信の仕組み
- 外部サービスとの連携
- 動作確認の担当者や項目
- 本番切り替え予定日
- 問題発生時の切り戻し条件
▼Tips
さくらのクラウドは、対象製品について時間額・日額・月額のうち、利用期間に応じた料金が適用されます。20日以上の利用では月額料金が上限となる仕組みです。月額上限が決まっているので、予算が立てやすいです。
方法3.無料期間や移行支援を活用する
計画を工夫しても、安全な移行のためには一定の並行稼働期間が必要です。
なるべくかかるコストを抑えたい場合は、クラウド利用料の無料期間や移行支援を活用する方法もあります。
▼ネットアシストで現在実施中のキャンペーン
ネットアシストでは、2026年9月30日まで、条件を満たす新規利用者を対象に、次の支援を実施しています。
- さくらのクラウド利用料を台数に応じて最大3か月無料
- MSPアシスト「ゴールドプラス」を3か月無料
- データ移行作業を最大30万円相当まで無料
詳しくはこちらの記事をご確認ください!
コストを優先して削ってはいけない工程
二重コストを抑えるために、検証期間を極端に短くしたり、本番切り替え直後に旧環境を削除したりすると、問題が起きた場合の影響が大きくなります。
削らない方がよいもの
- 新環境での動作確認
- データのバックアップ
- 本番切り替え後の確認期間
- 問題発生時の切り戻し環境
- DNS・SSL・メールの確認
- サーバー監視
- 障害時の対応体制
まとめ 二重コストは計画によって最小限にできる
クラウド移行では、新環境の構築や動作確認、切り戻しへの備えのため、旧環境と新環境を並行して稼働させる期間が必要です。
二重コストは完全に無駄な費用ではなく、安全な移行を行うための費用と考える必要があります。
一方で、次の3つを実施すれば、費用負担を抑えられます。
- 現在の契約更新日・解約条件から逆算する
- 新環境を作る前に移行範囲と確認スケジュールを決める
- クラウドの料金体系や無料期間、移行支援を活用する
費用だけを理由に検証や切り戻し期間を削るのではなく、必要な安全性を確保したうえで、無駄な待ち時間や契約期間を減らすことが重要です。
クラウド移行について、お困りごとがございましたらお気軽にご相談ください!