こんにちは!クリエイティブチーム・ディレクターのktanakaです。
突然ですが「サイトのデザインや導線設計は得意だけど、サーバー構成はちんぷんかんぷん!」という方もいらっしゃるのではないでしょうか?
かくいう私もこれまではサーバーはレンサバ一択で行っておりましたが、数百万PVを誇るメディアや、ボリュームのある動的サイトでは、流石にレンサバというわけにはいかず、インフラに強い外部パートナーにお願いして設計・構築いただいてました。
ただ、どうしてもお客様との打ち合わせの中でなんとなくのイメージを伝える必要がある場面もあるかと思います。
そのような方のために今回はサイトの種類で基本的なサーバー構成をご紹介いたします!
*本記事ではあくまで基本的な構成であり、案件特有の事情などによっては異なる選択を行う場合もあります。
【サイト種別】おすすめサーバー構成と提案のポイント
一口にWebサイトと言っても、コーポレートサイトからECサイトまで、その目的やアクセス特性は千差万別です。
当然、最適なインフラ構成もサイトの種別ごとに全く異なります。
クライアントへの提案で最も頭を悩ませる「アクセス急増への耐性」「個人情報の保護」「表示速度の担保」といった課題は、おおよそサーバー構成の最適化によって解決できます。
その悩ましいサーバーの構成をサイト種別ごとに最適と思われる「さくらのクラウド」の構成案をまとめてみました。
インフラ知識に自信がないディレクターでも、クライアントにそのまま自信を持って提示でき、かつ社内のエンジニアともスムーズに目線が合わせられる「提案のツボ」と合わせて解説いたします!
① コーポレートサイト・リクルートサイト
コーポレートサイトやリクルートサイトでは、お知らせの更新やオウンドメディアの更新などにおいてWordPressを活用しているサイトが多いと思います。
ついてはWordPress利用を前提としたコーポレートサイト・リクルートサイトにおけるおすすめサーバー構成をご案内いたしいます。
想定環境
| 想定CMS | WordPress(KUSANAGI環境) |
| 想定PV数(平時) | 月間 3万 〜 30万PV 程度 |
| 想定スパイク(アクセス集中時) | ・新商品発表やプレスリリース配信時 ・就職活動の解禁日や、大手採用媒体(リクナビ・マイナビ等)からの導線流入時 ・瞬間的に同時接続数が数十〜100程度に跳ね上がる状態を想定 |
| コンテンツ特性 | ・画像やテキスト中心の一般的な静的ページが9割以上 ・問い合わせフォーム、資料ダウンロード機能、簡易的な求人応募フォームを設置 ・大規模な動画配信や、ユーザーごとのマイページ機能(高度な動的処理)は「なし」の前提。 |
推奨構成
一般的な企業サイトであれば、このスペックがあればKUSANAGIの高速化の恩恵を受けられ、スパイク(アクセス集中時)にも耐えられる想定です。
| おすすめ構成 | 1サーバー(Web/DB同居)+ 自動バックアップ |
| 仮想CPU | 4コア |
| メモリ | 8GB |
| ストレージ(SSD) | 100GB |
提案のポイント!
さくらのクラウドは後から管理画面でスペックアップ(スケールアップ)が容易です。
最初はコストを抑えてスタートし、採用キャンペーンの月だけサーバーパワーを増強する、といった柔軟な運用が可能です。
② MA(マーケティングオートメーション)を活用する製品紹介サイト
HubSpotやPardot等のMAツール、あるいは自社CRMと連携することなどが想定されます。
フォームから獲得したリード(個人情報)を扱うため、セキュリティ要件が格段に高くなります。
想定環境
| 想定CMS | WordPress(KUSANAGI環境) |
| 想定PV数(平時) | 月間 5万 〜 50万PV 程度 |
| MA連携の前提 | ・HubSpot、Pardot(Account Engagement)、Marketoなどのトラッキングコード(JavaScript)の埋め込み ・資料請求、ホワイトペーパーダウンロード、メルマガ登録などのフォーム連携 |
| コンテンツ特性 | ・製品詳細、導入事例(画像多数)、各種ホワイトペーパー(PDF:1ファイル数MB〜数十MB)が数十〜数百種類 ・定期的なメルマガ配信や数千〜数万人規模の既存リードへの一斉配信時に、サイトへアクセスが一時的に集中 |
推奨構成
一般的な企業サイトであれば、このスペックがあればKUSANAGIの高速化の恩恵を受けられ、スパイク(アクセス集中時)にも耐えられる想定です。
| おすすめ構成 | Web/DB同居 + 高セキュリティ化(WAF・改ざん検知) |
| 仮想CPU | 4コア |
| メモリ | 16GB |
| ストレージ(SSD) | 250GB |
提案のポイント!
メモリやストレージ強化の理由として、下記の内容をお客様にお伝えできると、ディレクターとしての信頼感がアップすると思います。
メモリを強化した理由
MAを導入した製品サイトは、フォームプラグインやコンバージョン測定タグ、会員管理機能など、WordPress側で動くプラグインが重くなりがちです。さらにWebとDBが同居しているため、フォーム送信時の「DB書き込み処理」と、KUSANAGIの「Webキャッシュ処理」が同じメモリ領域を奪い合います。
メモリに余裕がないと、メルマガを配信した瞬間にサーバーが詰まり、一番大事な「資料請求フォームが重くて離脱される」という致命的な機会損失が起きる場合がございます。
そのため、B2Bのマーケティングサイトではメモリ16GBを推奨します。
ストレージを強化した理由
製品カタログやホワイトペーパーのPDF、高画質な事例インタビュー画像、セミナー動画のアーカイブなどを格納していくと、容量は驚くほど勢いよく消費されます。
また、MA連携サイトは「万が一のデータ消失」が即リード損失になるため、日々のバックアップ(世代管理)が必須です。
バックアップ領域の余裕と、今後のコンテンツ増加を見越して、最初から250GBのSSDを確保しておくのが安全です。
③ メディアサイト
メディアサイトは特性上、記事がYahoo!ニュースやスマートニュース掲載、GoogleDiscover掲載などで、通常時の数倍のアクセス負荷に耐える必要があります。
想定環境
| 想定CMS | WordPress(KUSANAGI環境) |
| 想定PV数(平時) | 月間 100万 〜 300万PV 程度 |
| 想定スパイク(アクセス集中) | ・SNS(XやFacebook)での爆発的な拡散(バズ)時 ・スマートニュース、Yahoo!ニュース、Gunosyなどの外部ポータル・キュレーションメディアに記事が掲載された時 ・瞬間的に数千〜数万の同時接続が発生する、メディア運営で最も胃が痛い瞬間を想定 |
| コンテンツ特性 | ・膨大なテキスト記事と、アイキャッチや解説・イメージなどの大量画像 ・運用期間が長くなるにつれ、過去記事のストックが数千〜数万記事規模に積み上がる |
推奨構成
月間300万PVのバズにも耐えられる、絶対に落とせない商用オウンドメディアサイト向け提案スペックです。
| おすすめ構成 | WEB×2台+DB×2台(CDN+ルータ+スイッチ・ロードバランサ含む) |
| WEBサーバー仮想CPU | 4コア |
| WEBサーバーメモリ | 8GB |
| WEBサーバーストレージ(SSD) | 250GB |
| DBサーバー仮想CPU | 4コア |
| DBサーバーメモリ | 16GB |
| DBサーバーストレージ(SSD) | 250GB |
提案のポイント!
- フロントに「ロードバランサ(負荷分散装置)」を設置し、2台のWebサーバーへアクセスを均等に振り分けます。
- 2台のWebサーバー間で、投稿された画像などのメディアデータを同期想定です(または、さくらのクラウドの「NFS(共有ストレージ)」を併用する案も考えられます)。
- DBサーバーは2台で「Master / Slave(主・副)」構成、あるいはさくらのクラウドの「データベースアプライアンス(マネージド機能)」を利用し、データの同期と冗長化を図る想定です。
④ マッチングサイト・動的ポータルサイト
マッチングサイトやポータルサイトは、これまでのサイトと違って「ユーザーごとに表示される画面が変わる動的処理」「複雑な条件検索が多発する」という特徴があります。
動的サイトならではの負荷特性を考慮した、前提条件とおすすめスペックをご提案します。
想定環境
| 想定CMS | WordPress(KUSANAGI環境)+ 会員管理・検索プラグイン等 |
| 想定PV数(平時) | 月間 30万 〜 100万PV 程度 |
| 負荷の特性 | ・ユーザーの行動(ログイン状態や検索条件)によってページをその都度生成するため、メディアサイトのように「ページキャッシュ(CDN等)でアクセスを逃がす」という技が使えません ・すべてのアクセスがダイレクトにサーバーのCPUとデータベース(DB)に影響を与えます |
| コンテンツ特性 | ・ユーザーログイン、マイページ機能 ・エリア、カテゴリ、フリーワードなどによる条件検索 ・お気に入り登録や、ユーザー間(または運営)の簡易チャット・メッセージ機能など |
推奨構成
動的サイトでは、アクセス件数(PV)の数値以上に「検索クエリの重さ」と「同時ログイン人数」を考慮して、CPUとメモリに余裕を持たせる必要があります。
| おすすめ構成 | WEB×2台+DB×1台(ロードバランサ・スイッチ・DBはマネージドDB+ 高セキュリティ化(WAF)含む) |
| WEBサーバー仮想CPU | 4コア |
| WEBサーバーメモリ | 8GB |
| WEBサーバーストレージ(SSD) | 100GB |
| DBサーバー仮想CPU | 4コア |
| DBサーバーメモリ | 16GB |
| DBサーバーストレージ(SSD) | 100GB |
提案のポイント!
ユーザーからのアクセスや検索要求を「ロードバランサ」で受け止め、2台のWEBサーバーへ均等に振り分けます。
これにより、アクセスが集中してもサイトが重くならず、快適なサイト運用を維持します。
WEBサーバーにWAFを配置し、SQLインジェクションなど、個人情報を狙うサイバー攻撃を自動的に検知・遮断します。
最も重要な個人情報が格納されるDBサーバーは、インターネットから隔離された「プライベートネットワーク(スイッチ)」に配置することで、侵入者がDBに直接到達するルートを潰します。
⑤ ECサイト(EC CUBE等)
ECサイトは、広告やSNSなどのインフルエンサーマーケティングによる「一瞬の爆発的なアクセス」と、「1秒の遅延が売上減少に直結する」という、最もインフラの安定性が売上に直結するジャンルです。
さらに個人情報と購買履歴を守るための「WEB/DB分離・WEB冗長化構成」を前提とした、EC-CUBE専用の前提条件とおすすめスペックをまとめました。
想定環境
| 想定CMS | EC-CUBE(最新版) |
| 想定PV数(平時) | 月間 50万 〜 200万PV 程度(月商数百万円〜数千万円規模を想定) |
| 負荷の特性 | ・Google広告、Meta広告、LINE公式アカウント等からの配信直後 ・SNSでのインフルエンサーによる商品紹介、メディア露出時 ・「●時間限定タイムセール」「福袋販売」などの自社イベント時 |
| セキュリティ・コンプライアンス要件 | ・クレジットカード情報の非保持化(トークン決済等の利用)前提 ・会員情報、お届け先住所、購買履歴の漏洩を完全に防ぐ「多層防御」 ・悪質な「買い占めBot」や「不正ログイン」対策 |
推奨構成
EC-CUBEは、カートに入れる、決済に進むといった「キャッシュが効かない処理」が連続します。
そのため、WEBサーバーはロードバランサで2台に冗長化し、DBサーバーは処理能力を最優先した高スペックな独立サーバーにするのが良いと思います。
| おすすめ構成 | WEB×2台+DB×1台(ロードバランサ・スイッチ・DBはマネージドDB、+ 高セキュリティ化(WAF)含む) |
| WEBサーバー仮想CPU | 4コア |
| WEBサーバーメモリ | 8GB |
| WEBサーバーストレージ(SSD) | 100GB |
| DBサーバー仮想CPU | 4コア |
| DBサーバーメモリ | 16GB |
| DBサーバーストレージ(SSD) | 250GB |
提案のポイント!
① 「カゴ落ち」による機会損失を防ぐ(WEB冗長化)
ECサイトにおいて、ページの表示速度が1秒遅れるごとにコンバージョン率は約7%低下すると言われています。本構成では、広告配信時などのアクセス集中を『ロードバランサ』が検知し、2台のWEBサーバーへ負荷を分散します。
決済画面で『サーバーが重くて進まない』という、機会損失を防ぎます。
② 顧客の信頼を裏切らない「情報のガード」
EC-CUBEが動作するWEBサーバーと、会員データや注文履歴が保管されるDBサーバーを、さくらのクラウド内のプライベートネットワークで物理的に切り離します。
万が一、WEBサイト側がサイバー攻撃を受けても、インターネットから完全に隔離されたDBサーバーへの侵入ルートは存在しないため、顧客情報が流出するリスクを極限まで抑え込みます。
③ オプション提案|高速SSDでセール時の在庫の「二重引き当て」を防ぐ
人気商品のタイムセール時、コンマ数秒の間に何百人ものユーザーが同時に『購入ボタン』を押します。
DBサーバーのストレージに高速な『SSD』を採用することで、データの読み書き詰まりを解消し、在庫データの正確な引き当てと、決済処理のエラーを防ぎます。
サーバー・サイト構築後に発生する「運用の壁」
どれだけ堅牢にサーバー構成を組んでも、公開後に「WordPressのプラグイン競合による深夜のエラー」「予期せぬアクセス過多によるサーバーダウン」「深夜のサイバー攻撃」は起こる可能性があります。
インフラエンジニアが社内にいない制作会社や事業会社の場合、この「公開後の24時間保守監視」を誰がやるかが、ディレクター自身が夜枕を高くして寝られるかどうかの分かれ道になります。
さくらのクラウド構築から保守運用まで、ネットアシストに丸投げしませんか?
- 「自社のサイト要件だと、具体的にどの構成がベスト?」
- 「クライアントへの提案用に、構成図と構成案を作ってほしい」
そんなお悩みは、さくらインターネット最上位の「アドバンストランク」パートナーであるネットアシストにお任せください。
当社には、営業スタッフ100%、エンジニア80%以上が「さくらのクラウド検定」を保持するプロ集団が在籍。
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